工務店から壁紙のカタログを渡されましたが、どのように選んだらいいのでしょうか?
住まいの新築、模様替え、いずれの場合も部屋の雰囲気は床・壁・天井の配色で大きく変わります。最近はアレルギー対策などで自然素材を内装材料に使うことが増えてきてはいますが、予算の都合などで壁紙(ビニールクロス)貼りの家がまだまだ主流です。そんな家の場合、明るい部屋にということで白っぽい色を選びがちですが、壁紙の色は単に白くしたり、柄ものを使ったりすると、いかにも安物建材の代名詞のようになってしまいます。
こんな場合はむしろかなり濃い目で質感のあるものを選ぶと飽きのこない、落ち着いた、品の良いインテリアが実現します。その際、極力天井と壁は同系色に。濃さも同程度の色調のものを選びます。
意外かもしれませんが、照明も脇役として、むしろあまり存在感のないものを選ぶのがコツです。民芸調とかモダンとか、部屋のインテリアイメージは床・壁・天井の仕上げ方で決めるのではなく、家具やカーテン、額や置物などでその雰囲気を演出すべきでしょう。
工務店や大工さんに設計と工事を依頼した場合などは、色や柄を見本帳などで直接自分で選ぶことになりがちです。その場合は特に要注意です。壁紙の色や柄はどんなイメージに仕上がるか、デザインの専門家でないとなかなか正確に予測できるものではありませんが、設計の専門家に依頼できなかった場合は、こうした選び方のコツが案外役立つことになりそうです。
『月刊ぷらざ2001年8月号掲載』回答:小見山健次(JIA会員)
6 月 13, 2005 カテゴリー: 計画 | Permalink
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